研究概要 |
3次元コンピューティングは時代の要請であり,様々な分野で活発な応用システム開発が進められている.本研究では,3次元コンピューティング開発の構築を支援するツールキットについて研究をおこなった.ここでの研究対象としてはコンピュータ内に構築される仮想世界にとどまらず,我々人間が生活する実世界までも含めて考えている.また,単にソフトウェア部品を提供しようとするのではなく,ユーザとの対話モデルなどといった基礎レベルからシステム機能を検討した. まず,仮想世界におけるこれまでのインタラクション手法を分類・整理するとともに,具体的なインタラクション手法についての操作性評価実験をおこなった.これによる体験を通して,優れた3次元インタフェースの設計に向けたガイドラインを提示した. さらに,ツールキットに要請される必要な機能の検討結果を踏まえ,基本部品のいくつかについてはそれらをコンピュータ上に構築した.具体的には,タブレットを用いた手書き入力を仮想環境内で実現するためのソフトウェアツールを作成した. 一方,実世界とのインタフェースという切り口からは,現実に存在する“もの"に注目した,人間とコンピュータとの対話手法について研究をおこなった.ものの状態(例えば机の上の照明が消えている)からユーザの状況をシステムが推測し,それに基づいてユーザ同士のコミュニケーションを支援する機構を新たに提案した. さらに上記2つの提案を結び付ける研究として,WWW上でのユーザの活動状況を音や画像に対応づけることにより,現実世界でのユーザの協調作業が効果的におこなえるようなインタフェースを構築した.
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