当初計画した方法に従って、研究を遂行した。平成10年度は次のような方法を計画し研究を行った。 1. WINDOWS SYSTEMではマウスが利用できるが視覚障害者には不向きなので、キー人力のみを用いてコンピュータと対話できる音声応答システムを構築した。それにはWINDOWS SYSTEMで利用できる音声合成ソフトウエアを用いた。このシステムはキー人力に際しても入力した文字を読み上げるので視覚障害者は容易に点字図書館システムへ応答ができる。これによって視覚障害者はシステムの利用が可能となった。 2. 視覚障害者職員向けの図書業務システムの開発を行った。図書業務の中心は検索であるが、データの修正、削除などが行えるシステムも構築した。これによって、視覚障害者職員が最新の蔵書情報を得ることができるようになった。 3. 利用者管理システムを開発した。利用者情報のデータベースとなるので、図書・雑誌とはデータ項目が相当異なるが、画面操作は複雑にせず画面操作上のミスを防ぐようにした。これによって、視覚障害者職員が図書館利用者の情報を得ることができ、利用者の住所ラベルも印刷できるようになった。 4. 視覚障害者職員向けの貸出業務システムを構築した。特に視覚障害者職員が独力で業務を行えるよう考慮して作成した部分である。メインとなるデータベースは貸出データベースであるが、補助データベースとして貸出記録データベース、返却データベースを使用し、貸出・返却業務は、バーコードとキーボードによる入力を可能にするように設計した。また、貸出データ、予約データの修正も可能にした。
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