初年度である平成9年度は、基礎段階の研究として以下のことを行った。なお、点字教材や触図教材の作成は、専門の点訳者に依頼した。また、重度視覚障害者用のアクセス機器として、点字ディスプレイ装置、点字プリンタ、音声出力装置等を使用し、触読教材の作成には、点字データ作成システム、イメージスキャナ、立体コピー機等を用いた。 1.GUIシステムへの非視覚的アクセスの研究: (1)日本語版および英語版のWindows95を対象に、非視覚的アクセスの可能性を調査し、現状を把握した。 (2)Windows95用スクリーンリーダのうちの「95Reader」(日本語環境)と「JAWS」(英語環境)について、機能、操作法等を実証的に調査研究し、それぞれの可能性や問題点等を明らかにした。 2.GUIの概念や機能などを非視覚的に教育する方法の研究: (1)Windows95に関する教育を試行的に行い、重度視覚障害者がGUIを理解する道程を明らかにし、教育上必要な要素を抽出した。 (2)その結果に基づいて点字教材や触図教材を試作し、検討した。 3.ソフトウェア開発用システムに関する調査: (1)Windows95の環境下において非視覚的方法でソフトウェアを開発するのに適した処理系を見いだすために、英語環境用の開発システムとマクロ言語システムのそれぞれ複数種類について調査した。 次年度は、非視覚的方法でのソフトウェア開発について重点的に研究する。
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