国文学における基本の研究活動である「多くの異本を比較対照する」ことを計算機上で行うために、まず異本のイメージと研究アノテーションを基本単位として異本間を辿るれデータモデルの検討を行った。 次に支援システムとして必要な機能を洗い出しを行った。 ・研究アノテーションをイメージ上に対して書き込むこと ・多くの異本のイメージをモニター上に同時に表示 ・研究アノテーションのテキスト検索と対応するイメージの表示 ・異本の対応する所を特定し辿れること ・類似語、類義語、あいまい検索 具体的な評価用データとして、源氏大鏡の資料館蔵本を含めて3本について評価に耐えるだけのデータのデジタル化を行った。テキストについては、研究アノテーションとして異本を対照するキ-として有効な出現和歌のデータを作成した。 具体的なシステムはCGIプログラムで開発し、複数の異本のイメージをモニター上に表示する機能、テキスト検索機能、対応するイメージの表示機能、異本の対応する所を特定し表示する機能を持った検索システムを実現した。検索システムのインタフェースについては、国文学者の試用評価を行っている。
|