研究概要 |
汎用の半正定値計画問題に対する数値解法ソフトウエアであるSDPA(Semidefinite Programming Algorithm)を開発し,Inetemetで公開した.このソフトウエアの開発の過程で,より大規模な問題を高速に解くために,以下の研究を行った. 1.探索方向の計算の効率化.解くべき半正定値計画問題の入力行列のデータ構造および過疎性を積極的に取り込んで利用し,記憶容量の軽減および探索方向の計算の効率化をはかった.これにより,SDPAで変数行列のサイズが1000,等式条件の個数が4000程度の問題の処理できるようになった. 2.ステップ長の計算の効率化.ステップ長を決める際に必要な固有値計算に2分法を応用した近似計算を組み入れ,SDPAの高速化をはかった. 3.変数行列のコレスキー分解の際の数値的な安定性の向上. 4.組合せ最適化問題等から生ずる半正定値計画問題の特殊構造の利用.conjugate gradient法を用いた探索方向の近似計算を提案し,それをSDPAに組み込んだSDPA-CGを開発し,それを組合せ最適化の分野で基本的な問題であるグラフのLovasz数の計算にて適用しその有効性を検証した.
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