研究概要 |
一般の半正定値計画問題(Semidefinite Programming,SDPと略)に対するソフトウエアであるSDPAの研究開発を行い,それを高速化および改良し,計算実験を通してSDPAの有効性を検証した.SDPAの特徴は以下の通りである. (a) プログラム言語C++で書かれている. (b) Mehrotraタイプの予測子修正子法を組み込んだ主双対内点法が使われている. (c) 探索方向としてHRVW/KSH/M,AHO,NTの3つの方向が選択出来る. (d) 数値計算の安定性を確保するため,線形計算の汎用パッケージMeschachを用いている. (e) 問題が許容解を持たない場合には,その情報を出力する. (f) ブロック対角行列を含む過疎なデータ構造に対応しており,計算効率を上げると同時に必要な記憶容量が少なくてすむように工夫されている. さらに,非凸型2次計画問題の半正定値緩和や双線形行列不等式の解法および非凸型2次計画問題から生ずる半正定値計画緩和問題の解法に組み込んで計算実験を行い,SDPAが有効に働くことを検証した.また,これまでに提案された種々の探索方向のほとんどを含む,より広い探索方向のクラスを新しく提案し,それらを使った主双対内点法の大域的および局所的収束性に関しての研究も行った.
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