研究概要 |
今日我々が直面している深刻な問題は大量生産・大量消費によってもたらされた資源の枯渇と地球規模の環境汚染である.化石資源の大量消費は世界のあらゆる地域で環境汚染をもたらした.そして,PCB,ダイオキシンなどはたとえ少量であったとしても人類を含めた地球生態系の存亡に関わる問題として認識されるようになった. 国際標準化機構(ISO)は今後の品質ライフサイクル(生産・消費・廃棄のサイクル)を考慮した2シリーズを提案した. (1)ISO 9000 シリーズ (2)ISO 14000 シリーズ ISO 9000 シリーズは主に国際貿易ルールの基礎となる国際品質保証規格を求めたものである.一方,ISO 14000 シリーズは環境マネージメントシステム規格をまとめたものである.本研究においてはISOに準拠した品質ライフサイクルコスト評価を目標に研究を進める. 特に,システム全体が動作・故障を繰り返すとき,システム保全のためのいろいろな保全モデルを提案し,コスト概念を導入した期待費用の最小化について論及した.これらの品質モデルは単にハードウェアでなく,ソフトウェアモデルについても論及した.そして,ソフトウェア信頼性モデル,データベースシステムの保全モデルについても適用可能であることを示した.今後はISOに準拠した新しい品質ライフサイクルコストの新しいパラダイムの提案に向けて研究を進める予定である.その第1ステップとして,いくつかの数理モデルを提案し,解析した.次年度の研究の基礎としていくつかの成果をまとめた.
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