研究概要 |
柔軟性の高い生産システムの構築は,FMSのようなコンピュータや関連機器とJITに代表される管理技術を統合した高度な製造技術を必要とする.また,投資額も莫大なだけに,その成否は企業の運営全体に大きな影響を与えることになる.今年度の研究実績は次の3つに大別できる. (1)柔軟性の代表的なタイプであるMachine flexibilityとRouting flexibilityの有効性を,いろいろな製造環境のもとで比較分析している.機械の故障や注文の飛び込みを製造システムの内外乱の要因としてとらえ,程度・大きさ・頻度によって柔軟性の効果の違いを定量的に把握している. (2)見込品を製造するかたわら,顧客ごとに仕様の異なる注文品を同一の製造工程を用いて生産する場合,見込品の安全在庫量を低く抑え,かつ,注文品のリ-ド・タイムを短縮するための解析を行なっている. (3)注文生産において,高い稼働率,低い仕掛在庫量およびリ-ド・タイムの短縮を同時に達成するためのshop floor controlの観点から,生産指示方式の違いが上記の評価尺度にどのような影響を与えるかを分析している.
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