研究概要 |
平成9年度研究計画の各項目につき、以下に実績を要約する。 「製造及び物流関連企業の実態調査」については、電気電子、鉄鋼、物流、食品、自動車工業等の実務家、研究者を交えた「ロジスティクス研究会」を発足させ、月1回のペースで各業界、各社が抱えている生産物流上の問題点について意見交換を実施した。参加企業は、(株)日立製作所、日本IBM(株)、住友金属工業(株)、アサヒビール(株)、山九(株)、日野自動車工業(株)等である。これと並行し、生産物流の現場を視察、詳細情報の把握に努めた。訪問企業は、(株)日立製作所、三菱工業(株)、日野自動車工業(株)、セイコ-エプソン(株)、日本リ-バ(株)、ロケットボイラー工業(株)等である。これらの活動を通じ、各広域分散事業場に於ける加工、組立業務の分担方法、在庫の分担方法、輸送形態、各地域の需要パターン及びそれに応ずるための生産物流方式の態様を把握し、また,複数の需要地域における需要動向についての分析方法、物流量の制御方法及び需要変動に頑健な供給システムを構成するための方法について一定の把握を行うことができた。「関連文献・データの調査収集整理」については、オペレーションズマネジメントのヨーロッパにおけるリーダーであるアストン大学ディビット・ベネット教授の来日に際し、研究合宿を行い、国際物流に関する多くの示唆と情報を得た。さらに、上記研究会メンバーから生産物流ネットワークシステム設計上、不可欠である各国の物流特性、制約条件、費用要素等のデータ提供も受けている。また、併せて関連各国貿易統計、国内経済統計、技術力評価のための諸データを調査収集し、これらのデータを検討、評価した。「グローバル生産物流ネットワークシステム設計モデルの検討」については、上記国際生産物流関連データに基づいて、生産拠点の配置と効率的な物流ネットワークを構築するための設計手順モデルを開発した。この内、費用最小化国際分業ネットワークシステムについては、0-1計画法による定式化に成功している。 尚、研究の成果については、随時、適切な国際会議、国際ジャーナル等に発表しつつあるが、本研究題目に関わる既発表、及び発表計画中の業績の内、「11研究発表」の項に記入できなかったものを以下に記す。 発表:9件(印刷中のもの3件を含む) 追加既発表論文: Katayama,H.,Azami,Y.and Lee,D.J.,"Flexibility:Its Meaning for Japanese Manufactures",Computer Integrated Manufacturing,Vol.1,pp91-100,Springer-Verlag Singapore Pte.Ltd.,21st-24th October,1997. Lee,D.J.,Katayama,H.and Oh,H.S.,"Systems Integration in Manufacturing Firm:Some empirical observations in Japan",Computer Intergrated Manufacturing,Vol.1,pp.71-80,Springer-Verlag Singapore Pte.Ltd.,21st-24th October,1997.
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