自然界を循環している水の包蔵する自然エネルギーを人間の生活に組み込む方法を開発するために、これまで我々が実施してきた種々の野外実験の有効性を模型実験によっても確認しようとするのが本研究の目的である。 平成9年度はとくに下水処理水などの散水が大気と土地を冷やすことによって実験場表層の温度や大気の流れに及ぼした影響を模型実験と熱流体計算によって確認するために以下のことを実施した。 1.新規に購入した多関節型ロボットをモータ駆動で直線運動をする台の上にのせて計測用6自由度ロボットシステムを構成し、ロボットの運動をパーソナルコンピュータで制御するために、種々の運動制御プログラムを制作した。 2.システムを2台の計算機の連携によって制御する方式で構成することにした。一台の計算機は模型の幾何学情報を管理し、さらにセンサーと模型の干渉チエックや測定データの図示を実行し、他方はロボットの制御に専念する。 3.模型とセンサーの接触による測定困難を避けるための予備テストプログラムとセンサーを任意の方向に向けるプログラムを製作した。これによってロボットハンドに風センサーを把持させて指定された格子点を移動させながら風速、風向を測定するための計測システムを構成できた。 4.実験場(金沢市水質管理センターおよび市民球場)の模型の計算機内幾何学モデルを作成し、ベニヤ板で模型を製作した。 5.熱流体解析プログラムを使用して、これら模型に対する数値解を得た。
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