研究概要 |
水のもつ自然エネルギーを生活に組み込むことが本研究の最終目的であり、本研究ではこれまで我々が実施してきた種々の野外実験の有効性を模型実験やシミュレーションさらには簡潔な野外実験を通して確認しようとして次の事項を実施し明らかにした。 (1) 購入した多関節ロボットをレール上を直線運動する台の上にのせて広い可動領域をもつ6自由度ロボットシステムを構成した,ロボットハンドに風センサーを把持させて指定された格子点を移動させながら風速、風向を測定するための計測システムを構成できた。また、模型とセンサーの接触による測定困難を避けるためのオフラインテストプログラムを製作した。 (2) 実験場(金沢市民球場)の縮尺1/2000模型を作製し、ロボットを使って模型計測実験を実行した,散水による地冷をフィルムヒータによる加熱により実現し、それによって起こる球場における風の流れと温度分布の再現を試みたが風速・温度センサーの分解能(0.1m/sおよび0.1℃)の不足により測定格子点におけるそれら物理量の差を検出するにいたらなかった。今後、模型の簡略化とスケールアップを検討すべきことがわかった。 (3) 舗装面散水効果の確認のために、模型に近い単純な建物配置である金沢工業大学構内の独立棟(長さ100m)を利用して散水実験を実施した。この実験により、高さ0.5mの高さでは0.5℃〜1℃の気温降下が得られることが確認された。この場合に対する数値シミュレーションモデルを作りシミュレーションを実行し、風速0.5m/sのとき距離100mにわたり散水すれば約2.3℃の気温低下が達成できるという結果が得られた。
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