研究課題/領域番号 |
09680436
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研究機関 | 共立女子短期大学 |
研究代表者 |
山森 芳郎 共立女子短期大学, 生活科学科, 教授 (10133117)
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研究分担者 |
岡田 悟 共立女子短期大学, 生活科学科, 助教授 (30233331)
児玉 好信 共立女子短期大学, 生活科学科, 助教授 (00108200)
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キーワード | ボランティア活動 / 意識調査 / 意識構造 / 数量化3類 / 国際比較 / 社会システム |
研究概要 |
この研究は、ボランティア活動に対する市民意識を構造的に明らかにし、さらにこれをわが国と先進国の間で対比することによって、わが国の状況に適合したボランティア活動のあり方、ひいては社会システム転換の必要性を提起しようとしたものである。市民意識を分析するに当っては、その多様性を顕在化させ、多元的な市民要求に応じた政策提案を試みた。 日英共通の調査票は(1)ボランティア活動経験の有無、(2)ボランティア活動に対する考え方、(3)市民として社会参加の考え方、(4)年齢、性別、居住歴などで構成し、1998年1〜2月、日本は首都圏で、イギリス側はバーミンガム市近郊で調査票を配布回収した(有効回収数は日本側259票、イギリス側202票)。これに多変量解析法の一つ数量化3類を適用し、以下の結果を得た。 第一に、ボランティア活動に対する市民意識構造は、それぞれの地域内で多元的である。 第二に、ボランティア活動に対する両国の市民意識構造として抽出された共通軸ならびに共通の意識類型は、(1)社会活動に際しての自立度(「自立志向」あるいは「依存志向」)、(2)状況対応の仕方(「理念統合志向」あるいは「個別対応志向」)である。 今後ボランティア活動の輪を広げたり、積極的に政策の中に導入したり、またボランティア活動関連の国際交流を進める場合、これら市民意識構造の多元性に対する配慮が欠かせないことを指摘した。
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