生活情報に関する調査と分析 毎日と読売の新聞記事を新聞社社内のデータベースを使って1995年1月17日から1996年1月16日までの74件にわたる「阪神大震災時の生活情報」の2週間ごとの発生件数を調べ、その資料を基に、阪神大震災記事のなかで占める割合変化や、また1年間の記事総数に対する割合変化の分析を行い、平成9年度に理論化した生活情報発生モデルに対する実証的検証作業を行った。生活情報パターンと現実のパターンとが食い違いを見つけ、生活情報のカテゴリーに現実の生活情報が当てはまってないこと、生活文化の変化による生活情報の構造的変化について分析した。これは第6回情報文化学会全国大会で発表した。また、新聞記事の調査結果を現在報告書に〓めている。 新聞情報の分析方法についての点検 新聞社のデータベース化作業と検索作業が新聞記事の調査の前提としてあるため、新聞記事検索力法を点検する必要がある。新聞社はそれぞれ異なる検索システムを活用しているのであるが、それらは共に全文検索をベースにしているのでその方法を検討し、第3回日本社会情報学会大会で発表した。 生活構造論学説史から生活情報論の検討 情報化社会の中での生活者の在り方について議論ずる生活情報論は益々その重要度を増しているものの、まだそれは学問的体系は確立していないため、伝統的な人間社会学の規範の中からその理論的位置付けを求められている。わが国で発達した生活構造論の成立史を批判的に検討し、生活構造論の社会システム論的解釈までの経過を分析しながら、生活情報論の理論的土台を考察した。それらの研究成果は第7回社会・経済システム論学会全国大会で発表した。 デジタルデータベースの槙索機能・データマイニングについての調査 情報社会化する中で生活情報のデジタル化は、インターネットを通じて益々多くなりつつある。震災時の生活情報の危機管理体制を考えるとき、その情報の有効な活用や検索システムについて議論する必要がある。京都大学工学部の知識システム研究本との共同研究を考慮に入れながら、現在、データマイニングに関する情報社会学的研究を進めている。 住民情報に関する調査 震災直後の住民情報に関する調査を計画しているため、稗田小学校避難所を例に取りながらはり紙情報やそれらが住民情報として組織されて行く過程について調査。
|