1 電界解析コードの開発: 雷雲による電界を定量的に評価するため、地形の影響も考慮できる電界解析コードを開発した。このコードにより北陸の一部地域における雷移動に伴う地上電界の様子を検討したところ、地表が平坦な場合と地形の変化がある場合との電界分布の違いが把握できるようになった。(平成11年4月公表予定) 2 簡易電界測定装置の開発・改良: 従来から使われている高精度電界測定装置(フィールドミル)が高価であることから、設備備品費で購入した装置による簡易型電界測定装置を作製し、両者の測定結果を比較検討した。その結果、気象条件によっては両測定装置によるデータの相関が小さく、簡易型装置の測定精度に問題があることがわかった。このため、新しく水滴の帯電現象を利用した簡易電界観測装置の開発を進めている。(平成10年10月発表) 3 雷雲電荷逆推定アルゴリズムの開発: 地上の観測電界のデータを与えて、雷雲電荷(位置と電荷量)を推定するアルゴリズムを検討・開発した。この際、雷雲は点電荷モデルで表現した。主としてニュートン法及び遺伝的アルゴリズムに基ずく反復法を検討したところ、反復法の初期値を適切に選ぶと地上電界分布に対応する点電荷の数及び電荷量がほぼ推定可能であることが判明した。ただ、実用に供するには、観測点数の軽減が必要であることも明らかになった。現在、問題点の改善を進めている。(平成10年11月発表)
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