研究概要 |
地上における電界強度の情報は落雷予測に有用である。本研究では、この電界情報を用いて雲中の電荷分布を推定できるかを検討するため、以下の研究を実施した。 まず、雲中電荷によって発生する電界を計算するため、半無限境界要素と名付けた新しい境界要素を提案した。その結果、地形の影響をも考慮にいれた電界計算が容易になった。次に、地上で観測される電界から雲中の電荷分布を推定するアルゴリズムとして、ニュートン法,最小2乗法,SPM法,ニューラルネットワーク及びカルマンフィルタが検討された。ただ、雷雲電荷推定問題では、観測点の数を必ずしも多く取れないこともあって、見かけ上の観測点を増すように、電界補間の工夫を行った。数値シミュレーションによる検討から、ニュートン法が最も推定精度が良いことが明らかになった。また、これらとは別に、電位差計を用いた全天候型の電界測定装置を開発したが、実際的な使用には測定精度をさらに向上する必要があることも明らかになった。
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