研究概要 |
平成9年度においては,強震観測網の記録を用いて,各観測点においての地震動特性(サイト特性)の分離,評価を行い,今後の強震動予測研究のベースとなる強震観測網観測点のサイト特性を明らかにするための初期解析を目的として以下の研究を行った. (1)地震記録データベースの構築 KNET及び関西地域を中心とした公開されている強震データの収集,整理を行った.また,兵庫県南部地震本震及び余震に関連した強震観測データを整理した.また,公開されている観測点付近の地盤資料(表層地質,浅部・深部地下構造)を収集した. (2)高密度地震観測記録の解析 観測点のサイト特性と地震動特性の関係を議論するために,比較的高密度の観測データが得られている兵庫県南部地震の共同強震観測データセットを用いて,地震動特性と表層地質条件,地盤条件との関係を議論した.また既往研究で提案されているサイト増幅特性の評価を行い,手法の有効性と適用限界についての議論を行った. (3)強震データの解析とサイト特性の評価,吟味の初期解析 周波数領域における観測方程式をたて,その逆問題を解く方法によりサイト特性を求める.そのために,大量の地震データの質を検討してS.N比のよいデータセットを構築する方法を検討した.また,データセットの吟味やサイト条件の吟味を行い,サイト特性評価のための初期解析を行った.
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