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1998 年度 実績報告書

「高温岩屑なだれ」による火山災害に関する基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 09680449
研究機関熊本大学

研究代表者

渡辺 一徳  熊本大学, 教育学部, 教授 (10040049)

研究分担者 横山 勝三  熊本大学, 教育学部, 教授 (40015847)
キーワード高温岩屑なだれ / 火山災害 / 九重火山 / 松の台岩屑なだれ / 由布岳火山
研究概要

中部九州の活火山の山麓に分布する4例の岩屑なだれ堆積物に関する野外調査を行い,特に,九重火山の「松の台岩屑なだれ堆積物」および由布岳火山の「塚原岩屑なだれ堆積物」に関しては,野外調査に加えて,流れ山を構成する岩塊の古地磁気測定を実施した.各岩屑なだれ堆積物の調査結果の概要は以下に述べるが,松の台岩屑なだれ堆積物は,高温部分を含むことが明らかになった.この成果は,「高温岩屑なだれ」の発見,その形成モデルの構築,新しいタイプの火山災害の可能性の指摘という本研究のねらいが達成できたものである.とくに,「冷却途中での溶岩ドームの崩壊」による岩屑なだれの存在を指摘できた意義は大きい.
1. 九重火山「松の台岩屑なだれ堆積物」
この堆積物は,我々の予察的な調査から高温岩屑なだれ堆積物の例と考えられた堆積物である.流れ山を構成する岩塊の磁気的性質から,少なくとも堆積時に高温であった部分が存在することが明らかになった.
2. 由布岳火山「塚原岩屑なだれ堆積物」
構成岩塊の磁気的性質からは,測定例が少ないが,高温と考えられる部分を見いだせなかった.
3. 雲仙火山「島原岩屑なだれ堆積物」
この堆積物は,1792年の眉山崩壊に伴う堆積物であるが,とくに高温を示す証拠は見出されなかった.
4. 霧島火山「小林岩屑なだれ堆積物」
この堆積物に関しては,今回の調査では十分な資料が得られなかったが,いくつかの流れ山の露頭では高温であった(崩壊前の可能性も含めて)と考えられる岩塊が含まれており,今後検討する必要がある.

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 波多江 憲治: "九重火山1995-96年噴火活動に伴う火山灰中の発泡ガラス含有量の経時変化" 火山. 42・5. 345-353 (1997)

  • [文献書誌] 宮縁 育夫: "埋没黒ボク土層の^<14>C年代からみた完新世阿蘇火山テフラの噴出年代" 火山. 42・6. 403-408 (1997)

  • [文献書誌] 波多江 憲治: "火山活動初期噴出物を用いた噴火災害の予測-1990-93年雲仙普賢岳噴火活動におけるケーススタディー" 自然災害西部地区部会報・論文集. 22. 203-208 (1998)

  • [文献書誌] Hoshizumi Hideo: "Geology and eruptive history of Unzen Varianto,Shimabara Peninsula,Kyushu,SW Japan" Jour.Volcanol.Geotherm.Res.89・1-4. (1999)

  • [文献書誌] Watanabe Kazunori: "Co-ignionbrite ash-fall deposits of the 1991 eruptions of Fugen-dake,Unzen Volcano,Japan" Jour.Volcanol.Geotherm.Res.89・1-4. (1999)

  • [文献書誌] Watanabe Koichiro: "Juvenile volcanic gloss erupted before the appearence of the 1991 lava dome,Unzen Valcano,Kyushu,Japan" Jour.Volcanol.Geotherm.Res.89・1-4. (1999)

  • [文献書誌] 渡辺 一徳: "土地分類基本調査「日田・森・宮原」(5万分の1、表層地質図)" 熊本県, 48 (1998)

  • [文献書誌] 渡辺 一徳: "日本の火山「九州の火山」(阿蘇火山-壮大なカルデラと中央火口丘群をたずねて-)" 築地書館(高橋正樹・小林哲夫 編), 153 (1992)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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