今年度は、前年度に引き続き釧路市の現地調査を実施し、地域防災計画に定められている市役所、消防本部、釧路市立総合病院、および生涯学習センターの4つの防災拠点施設についてヒアリングを行った。その結果、各防災拠点施設の1993年釧路沖地震時の被害と緊急対応、その後の防災対策について取りまとめることが出来、また、釧路市の防災アセスメントの実施、地域防災計画の改訂状況について資料を得た。また、避難、避難生活、および避難生活支援の実態と計画の課題を探る目的で神戸市を訪れ、行政、および市立綾瀬小学校を対象に1995年兵庫県南部地震について調査を実施し、資料を得た。八戸市については八戸圏域水道企業団、八戸市を調査し、上水道施設の現況、および1994年三陸はるか沖地震時の施設被害、応急対応、および井戸の分布状況についてまとめた。また、八戸市の避難施設を支援する企業、公的施設の実態を調査した。釧路市、八戸市の調査結果は地理情報データとして両都市の市街地図上にマッピングして防災計画の空間的検討を開始した。 昨年度の研究実績のうち釧路市、八戸市の避難施設、避難計画、および両都市の建物被害と表層地盤についてそれぞれまとめ、1998年11月、横浜で開催された第10回日本地震工学シンポジウムで「北国の地方都市における地震防災計画その1、その2」として2つの研究結果を発表した。また、1998年6月八戸で開催された日本建築学会東北支部研究報告会で釧路市の住宅被害と表層地盤との関連について研究結果を発表した。
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