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1998 年度 実績報告書

任意の分布を持つ固体プラズマの生成とそれによるサブミリ波伝伝搬の制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09680452
研究機関秋田大学

研究代表者

小武内 哲雄  秋田大学, 工学資源学部, 教授 (30006697)

研究分担者 淀川 信一  秋田大学, 工学資源学部, 助手 (90282160)
キーワード固体プラズマ / InSb / サブミリ波 / 表面波共鳴 / 誘電体イメージ線路 / 非可逆性
研究概要

昨年度に続き、本年度はまずp型InSbに垂直入射する526GHzのサブミリ波の透過を、光照射又は電流端子によるプラズマの注入により制御する可能性から検討を開始した。実験の結果、光照射によっては十分な変化を得ることができなかったが、電流端子を用いた場合では、印加電流によって透過量が変化し、およそ800mAの電流によりサブミリ波の透過がほとんど見られなくなることを確認することができた。これにより、p型InSb中のサブミリ波の伝搬を高速で制御する可変減衰器としての動作の可能性が示された。
本年度はさらに進んで、p型およびn型InSbの薄板を挿入した二層構造導波管、およびp型InSbを用いたイメージ線路のサブミリ波の伝搬特性について測定を開始した。まずn型の薄板を挿入した二層構造では、従来70GHz帯で検討が行われていた表面遅波共鳴現象が526GHzのサブミリ波においてもまったく同様に生じることを確認した。また、p型試料を挿入した導波管の伝搬特性を、横磁界中で液体窒素温度から常温まで温度を変えて測定した実験により、526GHzおよび671GHzのサブミリ波伝搬に、ある条件の下で15dB以上の非可逆性が現れることを確認した。以上の実験結果は、いずれも対応する理論解析とよく一致するものである。さらにp型薄板を用いたイメージ線路については、サブミリ波が実際にその上を伝搬すること、電子密度の増加によってサイクロトロン共鳴に起因する大きな減衰が現れることを確認した。以上の特性は、いずれもプラズマ密度の変化によって高速で制御可能であると考えられるので、将来InSbを用いたサブミリ波ICの構成要素としての大きな可能性を持っている。これらの結果は現在3編の論文に取り纏め中である。
本年度は、別途炭酸ガスレーザーを用いたInSbのpn接合の作成装置を試作したので、次年度は、これを用いて引き続き種々のプラズマ密度分布に対する伝搬特性を検討する予定であり、また周期構造を持ったプラズマ分布中の伝搬についての検討も開始する予定である。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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