研究概要 |
マイクロ波を用いたプラズマ利用加速器の実現に向けて基礎的現象を実験的に解明するために,大出力のマイクロ波を利用して加速距離を伸ばす方法の一つであるプラズマ導波の形成機構の実験を行った.また,現在プラズマ波を励起することも実験中である. 実験には,高出力電磁波源である中心周波数9GH_z,最大出力250kW,最大パルス幅10μsのマグネトロンを用いた.プラズマは,LaB_6カソードと真空容器壁との放電で生成し,その最大プラズマ密度は,2×10^<12>cm^<-3>である.このプラズマに上記のマイクロ波を照射し,そのポンデラモ-ティブ力によって,プラズマが周辺に押しやられ,マイクロ波が通過する導波路が形成されることを実験的に調べた. 今までに得られている実験結果は,(1)高出力マイクロ波によるプラズマ導波の現象をはじめて観測し,マイクロ波は,基本モードでプラズマ導波中を捕捉され,伝搬する.この現象は,高強度電磁波を用いたプラズマ利用加速器の加速距離を伸ばすという重要な概念に関係し,プラズマ利用加速器の実現に関して,非常に重要である.これは,長い相互作用張を必要とするX線レーザや高調波発生器等への応用が期待できる. (2)また,高出力マイクロ波とプラズマとの相互作用によって,高エネルギー電子の発生が明らかとなり,純粋なプラズマ物理に対しても興味ある現象が観測されている.
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