研究概要 |
(1)線形解析 有限な強さの軸方向磁場を掛けてある誘電体装荷円形導波管中での、大強度相対論的電子ビーム・プラズマ系で伝播しえる波についての分散関係の導出について見直した。静電近似は使わない。マックスウェルの方程式、ビーム電子およびプラズマ電子の運動方程式,エネルギーの式および連続の式を線形化する際に,速度の磁場に垂直な方向の成分の1次量も考慮して,電場および磁場の軸方向成分について互いに結合している2本の微分方程式を導出し、TM波とTE彼とが互いに独立に伝播するのではなく結合した形で伝播することを見い出し,さらに境界条件を入れて,非常に複雑な分散関係を、初めて導出した。この分散関係について核融合科学研究所の渡辺二太教授の開発されたプログラムを用いて詳しい数値計算を行っている。非常に強い磁場がかけられている場合についてはこれまでに求められている分散関係と一致することが確かめられた。磁場がかけられていない場合についても、これまでに発表されている結果と矛盾しない結果を得ている。これらの結果については本年(1998年)イスラエルで開催される「第12回高出力粒子ビームに関する国際会議」で発表する予定である。 (2)準備実験 ジェイ・イ・カ-ルストローム社製のガンオシレーターH265を使用し,自作の5チャンネルのEバンド・スーパー・ヘテロダイン・スペクトロメーターの較正を行った。また,相対論的電子ビーム源および磁場系,ならびにプラズマ密度測定のためのマイクロ波干渉計およびトリプル・プローブを整備した。
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