研究概要 |
本研究は局所非一様摂動をトーラスプラズマに与えたときにプラズマが応答する過渡的過程を調べることによりトーラスプラズマの輸送の解明を目指したものである。 これまでの研究成果を以下に示す。 1.平成9年度では非一様摂動としてペレット入射によるプラズマの局所冷却、電子サイクロトロン共鳴による局所過熱等を考え、それらを用いてプラズマの輸送過程特に高速イオンの軌道損失の低減及び内部崩壊減少等をヘリオトロンE装置で実験し、摂動解析法ひよって研究を進めてきた。 2.平成10年度はTRIAM-1M装置を用いて非一様摂動として新たに高速電子の空間分布がプラズマ輸送に及ぼす影響を検討した。特に電子の分布関数の歪みとイオン加熱との関連を調べた結果、位相空間における非一様性が電子系に低周波波動励起という新しい自由度をもたらし、イオン加熱の原因になりうることを見出した。 3.平成11年度は電流駆動プラズマの電流分布の変化が輸送に及ぼす影響を複数の低域混成波を組み合わせて調べた。対向する進行波の場合は電流のわずかな打消しにより誘起された非常に微弱なトロイダル電場が高周波による電流駆動効率の増大を引き起こすことを見出した。さらに同方向の進行波の場合パワー閾値以上で閉じ込め改善が起きることを見出し,その改善にパワーに対するヒステリシスが存在することを示した。
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