研究概要 |
昨年に引き続き、パルス大電流電子ビームのトランスポート、収束及び環境汚染ガス分解の研究を行った。環境汚染ガスの内、NOxの分解処理へのパルス大電流電子ビームの応用の実験を行った。昨年は純窒素中のNOx処理実験を主に行ったが、今年度は特に酸素ガスを20%混合した模擬排ガスからのNOx除去を研究した。パルス大電流電子ビーム(【less than or equal】160keV,140A,2A/cm^2,700ns,12.6 J/shot)を模擬排ガス中に打込んで、NO,NO_2,NOxの密度を昨年度購入品NOx-O_2測定装置(NOA-7000)を用いて計測した。乾燥ガスではNOxは減少しなかったが、NO→NO_2への酸化が促進された。さらに、水分添加するとOHラジカルが生成してNO_2との反応により硝酸が出来て、除去率40%の時、効率400nmol/JでNOxが除去された。壁に水布をステンレス網で張付けるとNO_2を吸収して総合効率570nmol/Jの高効率に出来る事、アンモニアのみの添加でも160nmol/Jの効率で94%が除去出来るなどが明らかとなった。また、除去効率の最適化の研究も行っている。これらの事は、第59回応用物理学会学術講演会1998年秋17p-ZM-13、平成10年電気関係学会関西支部連合大会、G1-18,G1-19及び平成11年電気学会全国大会講演番号109として口頭発表した。さらに、国際会議(International Conference on High-Power Particle Beams,Haifa,Israel,June 7-12,1998)にて発表し、電気学会誌、Jpn.J,Appl.Phys.に論文発表した。
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