CO2回収型石炭燃焼MHD-汽力発電システムを提案・解析し、米国で開発された低温電極MHD発電機を用いると、酸素製造電力、CO2液化電力を含めて45%(高位発熱量(HHV)基準)の効率が得られることを見いだした。なお、従来方式では30%程度に低下する。また、CO2未回収石炭燃焼高性能MHDシステムも提案し、空気加熱器動作温度が1620K、1780K、2100Kのとき、MHD発電システム効率は、それぞれ50%、55%、60%以上になることを示した。 数値解析による実験結果の検討も実施し、ロシアの出力15MWパルスMHD発電機に関して、衝撃波を効果的に計算できるように流体部分は陰解法TVD法を、乱流モデルにはk-ωモデル、電気部分はガラーキン有限要素法を用いて、非対称大規模境界層剥離と主流部分の複雑な衝撃波が誘起されていることを示し、実験的に見いだされている発電出力の飽和現象は、衝撃波と境界層剥離によってもたらされたことを明らかにした。 また時間依存3次元解析も開始し、出力10MW級発電機隣接陰極間短絡現象を解析し、隣接電極間短絡が生じた場合、電磁場と流体場の強い3次元的MHD相互作用の結果、電流分布の複雑な3次元構造と短絡電流の分岐現象の発生を初めて発見した。
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