研究課題/領域番号 |
09680482
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉田 陽一 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (50210729)
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研究分担者 |
関 修平 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (30273709)
古澤 孝弘 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (20251374)
三木 美弥子 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (10167661)
田川 精一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (80011203)
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キーワード | 放射線化学初期過程 / ピコ秒パルスラジオリシス / フェムト秒レーザー / ジェミネートイオン再結合 / 電子 / カチオンラジカル / スモルコフスキー方程式 |
研究概要 |
飽和炭化水素液体中でレーザー同期パルスラジオリシスを行い、初期に生成される、電子、カチオンラジカル、励起状態の放射線化学初期過程における反応ダイナミックスの解明に関して以下の研究成果を得た。 ○レーザー同期ピコ秒パルスラジオリシスシステムの改良 ライナックからの高エネルギーピコ秒電子線ビームをアルカンに照射し、生成する短寿命中間活性種の挙動を、光過度吸収として測定するためのレーザー同時ピコ秒パルスラジオリシスシステムの改良を行い、データの信頼性及び実験効率の向上を図ることができた。 ○電子、カチオンラジカル、励起状態等の重要な中間活性種の分光および反応ダイナミックスの解明 カチオンラジカルの時間分解ダイナミックスを調べた。特に、ジェミネートイオン再結合を記述するスモルコフスキー方程式により、結果のシュミレーションを行い、各種の反応速度定数を決定した。近赤外領域(波長1μm以上)における電子の測定等は、次年度に実施する予定である。 ○分子間における電荷移動・励起移動機構の解明 一部の溶質分子と電子間での電荷移動反応に特異性が認められた。これは、イオン化により生成した電子が、熱化する以前に、電子移動を行うためと推定している。このことは、ジェミネートイオン対の初期分布等に影響し、今までの反応メカニズムとは異なる新たな反応機構を考える必要が生じる。このことについては、次年度においてさらに詳しく検討を行う予定である。
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