研究分担者 |
二瓶 仁 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (70010973)
岡野 邦彦 電力中央研究所, 原子力システム部, 主席研究員
大藪 修義 核融合科学研究所, 教授 (60203949)
井上 信幸 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (60023719)
吉田 善章 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (80182765)
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研究概要 |
低アスペクト比トカマクは,核融合炉の小型化・高効率化の観点から,近年注目されており,小型・中型実験装置での研究が盛んになされている.装置の小型化において,特に問題となる点としてダイバータ設計が挙げられる.現在の比較的大型なトカマク型核融合炉でさえ,ダイバータの熱負荷を低減させるべく様々な工夫がされている.トーラス大半径が小さい低アスペクト比トカマクでは,ダイバータ設計はさらに厳しくなり,従来のアイデアの延長では到底設計出来ない. 我々は低アスペクト比トカマクでのダイバータ問題を解決する画期的なアイデアとして,新型バンドルダイバータを提唱し,その工学的可能性を検討した.従来のバンドルダイバータは,トーラス水平部に設置されていたので,磁場リップルの増大をもたらし,コアプラズマ閉じ込め劣化を引き起こすという問題点があった.ここで提案した新型バンドルダイバータはトーラス下部に設置するものであり,現在の装置で数多く採用されているポロイダルダイバータとバンドルダイバータを組み合わせたものである.従って,磁場リップルを十分小さく(1%以下)抑えることが可能であり,コアプラズマの特性を劣化させる心配が無い.しかも低アスペクト比トカマクでは,トロイダルコイルがトーラス下部で大きく開いており,バンドルダイバータを設置するのに適している. 体積中性子源炉や発電炉規模の低アスペクト比トカマク装置に新型バンドルダイバータを設置した場合のコイル設計を,磁力線追跡コードを用いて行った.その結果,工学的にも無理のないコイル電流値でバンドルコイルの設計が可能であることが判明した.またバンドルコイルの外に引き出される磁力線が,バンドルコイル近傍を通過する際に,バンドルコイルと十分なクリアランスを有していることがわかった.
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