研究課題/領域番号 |
09680489
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
核融合学
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
蘆田 完 富山大学, 水素同位体機能研究センター, 助教授 (70192953)
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研究分担者 |
波多野 雄治 富山大学, 水素同位体機能研究センター, 助教授 (80218487)
松山 政夫 富山大学, 水素同位体機能研究センター, 教授 (90135004)
渡辺 国昭 富山大学, 水素同位体機能研究センター, 教授 (50001326)
ASHIDA Kan Toyama Univ., Hydrogen Isotope Research.Center, A.P.(1998) (70192953)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | 核融合炉 / プラズマ対向材料 / トリチウム / 多層構造 / 透過 / 滞留 / 接合 / 照射欠陥 |
研究概要 |
多層構造を持つ材料中の水素の挙動を正確に評価できるよう、材料中の水素の流れを電気回路中の電流の流れに見立てたモデルを構築した。このモデルの妥当性を文献に報告されている単層材料についての透過実験の結果と比較することにより確認したのち、多層構造材料へ応用した。即ち、国際熱核融合炉(ITER)においてプラズマ対向材料の候補材として挙げられているベリリウム(Be)及びタングステン(W)をヒートシンク材の候補材として挙げられている銅(Cu)を接合した場合について、トリチウムの滞留量を評価した。その結果、トリチウムはBe/Cu接合体では主にBe中に、W/Cu接合材では主にCu中に滞留することを見出した。また、プラズマに面しているBeやWがスパッタリング等により損耗すると、それに従いBe/Cu接合体では急激に滞留量が減少するが、W/Cu接合体では一旦滞留量が減少したのち急激に増大することがわかった。 さらに、バナジウム中の水素の透過挙動に及ぼすヘリウムイオン照射による多層化の影響を実験的に調べた。その結果、照射量が透過量に比べて十分小さい場合には透過量はほとんど変化しないが、照射量が増大し照射欠陥やヘリウムバブルが蓄積されると、これらが捕獲サイトとして働き透過量が減少することを見出した。また、既に大量の捕獲サイトが形成されている試料について照射下と非照射下での透過量を比較したところ、照射下では透過量が増大することがわかった。このことから、照射下では捕獲効果が弱まることが示唆された。 以上のことから、プラズマ対向材料が多層構造を有する場合には、単層構造である場合に比べ、その内部におけるトリチウムの挙動が炉の運転条件によって複雑に変化することが見出された。
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