研究課題/領域番号 |
09680492
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
上田 良夫 大阪大学, 工学部, 助教授 (30193816)
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研究分担者 |
礒部 倫郎 大阪大学, 工学部, 助手 (40243167)
西川 雅弘 大阪大学, 工学部, 教授 (50029287)
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キーワード | 炭素材 / 照射促進昇華 / 化学スパッタリング / イオン照射欠陥 / 高粒子束ビーム |
研究概要 |
炭素材(及び他のIV族元素[Si、Ge])の昇華がイオン照射時に促進される現象(照射促進昇華)や水素ビーム照射下での化学スパッタリングを、10^<20>-10^<21>m^<-2>S^<-1>の高粒子束ビーム照射により詳細に測定し、イオン照射欠陥のダイナミクスを解明することが本研究の目的であり、今年度は以下のような研究を行った。 ○照射ビーム中の不純物を減らし、ビーム特性を安定させるため、マイクロ波を用いたECR(電子サイクロトロン共鳴)放電(マイクロ波電源は備品費にて購入)によりイオン源のプラズマ生成を行った。 ○四重極質量分析器を用いてスパッタリング粒子を直接検出する装置を、照射装置に組み込んだ。これにより、ボロン膜やボロン添加黒鉛からの物理スパッタによるボロン粒子(イオン及び中性粒子)、及び炭素材に水素ビームを照射した際に化学スパッタリングによって生じる炭化水素の測定が可能となった。 ○炭素材に水素を照射した際に発生するメタンの量が最大となる温度は、粒子束とともに高温側へシフトすることが明らかになった。このことは、炭素在中のメタンの形成及び放出過程、さらにそれと関連するイオン照射欠陥のダイナミクスに関して、粒子束に依存する現象が存在することを示唆する。 ○照射イオンを変えてニオブ基板からの物理スパッタ粒子の測定を行い、そのスパッタ収率が従来のモデルとよく対応する事が分かった。これより、高Z金属からのスパッタ粒子検出も可能であることが分かった。
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