日本における年輪解析法による冷温帯から亜寒帯の過去500年間の気候変動の復元を目的に実施した計画は以下の通りである。 (1)北海道内のアカエゾマツ採取予定地のうち、湿地系(北海道大学・雨龍地方演習林)、蛇紋岩地系(同中川地方演習林)、砂丘地系(春国岱)の3カ所(サンプル20個体以上)を成長錘で採取し、現在乾燥処理を行っている。すでに、年輪計測の終了した地点もあるが、今年度採取した試料は、次年度の計画に入るまでに全て年輪計測は完了する予定である。(分担 野田真人)。 (2)浅根性のアカエゾマツは、土壌水の移動量が成長に大きく関与していることから、水位と水分観測について、融雪時に設備を設置して観測を開始する予定である。湿地系の調査期間は、2年間にわたって継続し、時間的変化を詳細に調査する計画である。(分担 原口 昭)。 (3)主要設備との関連:要求設備のデンシトメータ用光電部や水位、水分計は購入済みで、融雪時までに改良および設置を完了する予定である。 本年度は、試料採取と機器の設備が中心であった。平成10年度以降は、湿地系のアカエゾマツの水位観測について最終年度まで引き続き継続する。新たな立地として火山灰礫地系と継続的に砂丘地系について解析と調査を行う予定である。当該年度において、4立地のアカエゾマツの採取は完了する。
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