研究課題/領域番号 |
09680507
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西川 佐太郎 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (60027430)
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研究分担者 |
小林 捷平 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (80027466)
三頭 聰明 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (30005938)
森山 裕丈 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (90127150)
山名 元 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (30283683)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | プルトニウム / ^<236>Pu / ^<237>Np / 電子ライナック / 制動放射線 / 同位体製造 |
研究概要 |
環境中のプルトニウムを精度よく分析するためのスパイク試料として価値が高い^<236>Puを、京都大学原子炉実験所の電子ライナック(中性子発生装置)を用いて、^<237>Np(γ,n)^<236m>Np→^<236>Puの反応により、高純度で製造する方法について研究した。京大原子炉の電子ライナックによって計3回の照射を行った。同伴する中性子の熱化を抑制することを目的に、冷却水の流路を4cmX4cmとした細い冷却力ラムを制作して照射に使用した。その結果、以下の成果が確認された。 1. 石英2重封入ターゲットを用いたNpの制動放射線照射が問題なく行えることを確認した。 2. 約120μA/30MeVの平均電流の電子ビーム照射による^<237>Np(γ,n)^<236m>Npの反応率が最大3.6X10^<-12>(1/sec)であり、この条件での約1mgの^<237>Npの約5時間の照射により、^<236>Puを約0.65kBq製造することができることを確認した。 3. 生成した^<236>Pu中の^<238>Puの同伴量はα放射能比で0.06%以下と大変小さく、この方法で製造した^<236>Puの放射化学的な純度が十分に高いこを確認した。 4. 実測された^<236>Puの生成率から見ると、報告されている^<236m>Npの分岐崩壊割合およびこれに伴うγ線放出割合の数値は概ね妥当である。 5. 京大炉の電子ライナックを用いて、一回の照射(10mg^<237>Np、30時間照射)で約25kBqの高純度^<236>Puを製造することが可能と考えられる。 本研究により、京大炉の電子ライナックを用いた制動放射線照射により、高純度の^<236>Puを製造できることを確認した。この方法は、ターゲットの製造から照射に至るまで比較的容易な作業で行える上、安全である。今後、この方法により安定かつ安全に環境Pu分析用の^<236>Puを製造できると考える。
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