1. 分類アルゴリズムの検討 土地被覆分類に最もよく用いられている最尤法における分類精度向上のため、トレーニングデータに対するスクリーニングを行い、トレーニングデータが正規分布に近くなるよう修正するとともに、最尤法アルゴリズムに対してもすそ切り正規分布を仮定してアルゴリズムの改良を行った。 2. 分類結果の検証 高解像度衛星画像は衛星打ち上げの延期あるいは失敗等により平成11年3月現在においても入手できない状況である。したがって、土地被覆分類は航空写真から作成したシミュレーション画像を用いて行った。分類の結果、分類精度の大幅な向上は認められなかった。そこで、分類精度を低下させている原因を追求したところ、テストサイトデータが疑わしいところが出てきた。また、混合画素いわゆるミクセルの存在も分類精度を低下させている原因の一つであることが明らかとなった。 3. テストサイトデータの修正 分類精度の検証を行う場合にもとになるテストサイトデータは非常に重要である。そこで、テストサイトデータを分類項目にあわせさらに正確となるよう修正を行った。 4. 分類精度向上における問題点の整理 高解像度画像に対する土地被覆分類においては、適切な分類項目数を決めることは非常に困難であり、対象画像と目的に応じて決めるほかないことが明らかとなった。今後、分類項目を決める指針を作成する必要がある。分類アルゴリズムにおいては、やはり画素ごとの分類では、高解像度画像を高精度で分類することは困難であることが明らかとなった。今後は、形状情報を加えた分類アルゴリズムを開発していく必要がある。
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