研究概要 |
[目的] 酸素は地球上のほとんどの生物にとって不可欠の元素であるが、一方で活牲酸素として生体高分子などに傷害をもたらす。自然突然変異は生体内の活性酸素が主な原因と考えられ、その蓄積ががんや老化の引き起こすといわれる。 植物は光合成の結果酸素を発生するので、supreoxideやhydroxyl radicalのような活性酸素が細胞内により多く存在すると予想される。突然変異は微生物や動物細胞では分子レベルで調べられているが、高等植物においては解析システムがない。そこで、高等植物とほとんど同じ光合成系をもちプラスミドの導入抽出が可能なラン藻Synecbococcus PCC7942の変異特異性を調べることを最終最終として、変異解析系の開発に先立って主として培養法の確立を目指した。 [研究進展状況] ラン藻に関するほかの研究と異なり本研究では独立変異クローンを集める必要から、多数の培養を効率よく行いかつ寒天平板培地で単離できうるコロニー形成が必要である。また、形質転換細胞の選別のために適当な抗生物質濃度を求める必要がある。小型三角フラスコに通気性のよいシリコを用い穏やかに震とうすることで充分に使用できることを見いだした。外来DNAの導入(形質転換)は大腸菌より効率は悪く細胞数が多いと非形質転換細胞との区別が出来ない。種々検討の結果1m1cultureで△A=0.3程度の細胞数が最も効率的であった。単一クロ一ン単離のためのコロニー形成では4x106程度が適当であった。形質転換細胞の選別には適当な抗生物質濃度を決める必要がある。ラン藻は抗生物質に対して感受性が高い。ストレプトマイシン(Sm)とクロラムフェニコール耐性遺伝子(Cm)をもつプラスミドpUC303を導入したものとそうでないものを区別できる濃度は0.5-0,7μg/m1であった。
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