研究課題/領域番号 |
09680526
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
池原 敏孝 徳島大学, 医学部, 講師 (40111033)
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研究分担者 |
會沢 勝夫 東京医科大学, 医学部, 教授 (40074645)
細川 敬子 徳島大学, 医学部, 助手 (10116858)
山口 久雄 徳島大学, 医学部, 助教授 (90035436)
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キーワード | 副腎髄質クロマフィン細胞 / 変動磁界 / プラディキニン / イノシトール三燐酸 / 細胞内カルシウムイオン濃度 / 誘導電流 / 小胞体 |
研究概要 |
3秒間隔で、磁束密度を1.7から0.07Tまで変動させた強磁界に副腎髄質由来の培養クロマフィン細胞を曝露し、その各種細胞機能に及ぼす影響を調べた。 1. 磁界曝露は、培養液のCa^<2+>存在下プラディキニン作用による細胞内Ca^<2+>濃度増加を有意に遅らせ、またその最大増加濃度も低下させた。 2. 少なくとも15分以上磁界作用は、外液Ca^<2+>除去時この細胞内Ca^<2+>濃度の増加を強く阻害させ、2時間の曝露はこれを完全に阻害した。 3. 最大値1.4T以上の磁束密度での2時間の磁界曝露はやはりこの増加を有意に阻害し、1.7Tでの曝露は完全に阻害した。 4. フーリエ変換赤外分光計を用い、Hera細胞膜への最大800ガウス、50Hz磁界を作用すると、細胞膜蛋白質の可逆的な解離カルボキシル基の増加と蛋白構造の変化を示唆するデータを得た。 5. ブラディキニン作用時刺激されるIP3産生量はこの変動磁界を作用しても有意に抑制されず、細胞膜上のレセプター等にみかけ上影響を及ぼさないことを示唆する。 6. 膜透過性を増強させた細胞の内液にIP3を直接導入しても磁界作用下では細胞内Ca^<2+>の著しい増加が見られなかった。 これらの結果は、細胞外の培養液中に変動磁界により誘導される誘導電流が間接的に細胞内Ca^<2+>濃度上昇を阻害すると考えられるが、また外液に流れる電流に比べ電流密度はかなり低いが、同時に細胞内に誘導される誘導電流が小胞体膜に影響を及ぼし、細胞質へのCa^<2+>放出が抑制されることも推定される。
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