研究課題/領域番号 |
09680528
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
岡市 協生 長崎大学, 医学部, 助教授 (80124874)
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研究分担者 |
井原 誠 長崎大学, 医学部, 助手 (60175213)
奥村 寛 長崎大学, 医学部, 教授 (00073130)
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キーワード | p53 / 突然変異 / 変異部位 / 放射線感受性 / シグナル伝達 / アポトーシス / SaOS-2 |
研究概要 |
いくつかの突然変異したp53遺伝子を人工的に作成し、SaOS-2細胞(p53遺伝子が欠失している骨肉腫細胞)に導入した。また、コントロールとして正常p53遺伝子をLacSwitchの系を用いて細胞に導入した。これらのp53遺伝子導入細胞の放射線感受性を測定したところ、正常p53遺伝子導入細胞では、放射線感受性が高くなった。また、143A、175H、273H変異細胞では、放射線抵抗性であったが、123A変異細胞では、放射線感受性が高くなった。このことより、p53遺伝子の変異部位によって放射線感受性が異なることが分かった。 放射線感受性であった正常p53細胞と123A変異細胞において、ウエスタンブロット法でp53のタンパク量を調べると、放射線によるp53の蓄積が見られた。一方、放射線に抵抗性であった143A、175H、273H変異細胞では、放射線によるp53の蓄積が見られなかった。そこで、正常p53細胞と123A変異細胞で、放射線によるp53依存性のWaf-1の誘導をウエスタンブロット法で調べた。正常p53細胞ではWaf-1の誘導が観察されたが、123A変異細胞では見られなかった。このことより、123A変異はWaf-1の誘導調節機能が失われている突然変異であることが分かった。次に、放射線によるアポトーシス誘導を電気泳動法で調べた。放射線に感受性であった正常p53細胞と123A変異細胞では、放射線照射後のアポトーシスのラダーが観察された。一方、放射線に抵抗性であった143A、175H、273H変異細胞ではラダーが見られなかった。今回の研究において、p53変異細胞での放射線感受性は、アポトーシスと対応していた。
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