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1999 年度 実績報告書

新しい高感度DNA損傷検出法による環境汚染物質の生態毒性評価

研究課題

研究課題/領域番号 09680532
研究機関静岡県立大学

研究代表者

岩堀 恵祐  静岡県立大学, 環境科学研究所, 助教授 (40183199)

研究分担者 宮田 直幸  静岡県立大学, 環境科学研究所, 助手 (20285191)
下位 香代子  静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助手 (10162728)
木苗 直秀  静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (00046286)
キーワードコメットアッセイ / DNA損傷 / Euglena gracilis / DNA修復 / ヒトリンパ球 / 検出感度 / MNNG / BAP
研究概要

昨年度は、コメットアッセイに適用可能な環境微生物としてミドリムシ藻Euglena gracilisを選抜し、その最適な操作条件を特定した。そこで本年度は、このE.gracilisを用いて、有害化学物質によるDNA損傷・修復の評価とその有用性について、実験的な検討を行った。供試化学物質として、アルキル化剤1-MethyI-3-nitro-1-nitrosoguanidine(MNNG)、代謝活性物質Benzo(a)pyrene(BAP)、DNA架橋化剤Mitomycin C(MMC)とDNA挿入剤Actinomycin D(AMD)の4種類を用いた。その結果、色素排除法でE.gracilisの生存率が100%である濃度範囲(MNNGとMMC:50μM以下、BAP:10μM以下、AMD:100μM以下)では、MNNGとBAPでDNA損傷を検出できたが、MMCとAMDでは損傷を検出できなかった。そこで、MNNGとγ線による処理でDNAに損傷を与えた後、その修復評価を試みたところ、両処理とも、インキュベーション時の光照射の有無に関係なく、すべての処理濃度で1時間以内に修復されていることが明らかとなった。次に、コメットアッセイで汎用されてきたヒトリンパ球との検出感度の比較を行ったところ、MNNG処理では、ヒトリンパ球よりもE.gracilisの方が10倍以上も検出感度が高く、またBAP処理では、代謝活性物質S9mix添加・無添加の両条件でE.gracilisの方が2倍以上も検出感度が高いことがわかった。
以上の成果から、廃棄物埋立地からの浸出水や有害化学物質で汚染された環境水などによる急性毒性並びに慢性毒性を、環境微生物であるミドリムシ藻E.gracilisを用いたコメットアッセイで評価でき、また種々のバイオアッセイとの比較検討により、水環境における生態毒性の評価システムを構築できる可能性が高まったと考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 岩堀恵祐、宮田直幸、下位香代子、木苗直秀 他: "環境微生物を用いたコメットアッセイ操作条件の実験的検討"日本水処理生物学会誌. 35巻4号. 261-270 (1999)

  • [文献書誌] 岩堀恵祐: "EICA年報Vol.4(環境計測としてのバイオモニタリングの意義)"環境システム計測制御学会(予定). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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