研究課題/領域番号 |
09680535
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境影響評価(含放射線生物学)
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研究機関 | 千葉工業大学 (1998) 日本医科大学 (1997) |
研究代表者 |
飯野 正昭 千葉工業大学, 工学部, 助教授 (00182999)
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研究分担者 |
奥田 雄一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50135670)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | 赤血球沈降係数 / 赤血球凝集 / 強磁場効果 / 生体膜異方性反磁性 |
研究概要 |
鉛直強磁場下で赤血球沈降係数が生理食塩水中でも血漿中でも促進される事が示された。生理食塩水中での磁場促進の原因は赤血球の異方性反磁性による配向により流体抵抗の減少に起因する事が判明した。一方、血漿中の磁場促進は、強磁場による赤血球凝集性の促進した結果である事が明らかとなったが、さらに、これがどの様な磁場効果に起因した現象かを調べた。原因となる複数の可能な因子のうち、常磁性相互作用の可能性から調べたヘモグロビン分子の磁気異方性と、膜物性の磁気異方性を定量的に調べたが、これらが主たる原因ではない事が判明した。残された因子のうち、細胞膜と血漿蛋白の相互作用の磁場効果の直接測定についてはかかる期間に完了しなかった。そこで、各因子の直接測定を諦め、定性的に主たる因子を同定する為、赤血球沈降係数の促進現象の観測をくり返した。そこで、次のような発見をした(米国Bioelectromagnetics誌に投稿中)。すなわち、1.細胞の形がほぼ球形でも凝集は起こる事、2.細胞の形が球形に近づくと強磁場による赤血球沈降係数の促進も凝集性の促進もなくなる事、である。1.はその形状から細胞間凝集面積の実質的減少が起こるが、赤血球膜の高い変形能により接触面積が有限のまま残る事を示す。2.は形状異方性がなくなり赤血球の磁場配向がなくなると、1.により凝集能があるにも関わらず、凝集能の磁場による促進は起こらない事を示す。以上から、磁場による凝集性の促進の原因となる主たる因子が、赤血球の磁場配向による細胞間凝集面積の実質的増加である事が判明した。しかし、残された因子、細胞膜と血漿蛋白の相互作用の磁場効果の存在そのものが否定されたわけではないので、今後はこの残された因子を調べる事を予定している。
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