研究概要 |
肺がんと室内ラドン曝露との関連を検討するために、三朝町において症例対照研究を計画した。平成9年度は、(1)昭和51年1月1日において40歳以上であった三朝町住民4,399人中で、昭和51年1月1日から平成8年5月31日までの肺がん死亡例63例を、人口動態統計死亡票より把握した。このうち52例について三朝町内に居住する遺族を確認した。(2)性・年齢をマッチして、症例の肺がん死亡日に生存していた人を対照として、上記4,399人の固定集団からランダムに選択した。(3)症例の遺族、および、対照本人あるいは遺族に対し、郵送調査および訪問調査にて、室内ラドン実測の同意の確認を行った。その結果、肺がん死亡例30例、対照36例から同意を得た。(4)同意の得られた症例の遺族、および、対照本人あるいは遺族に対し、症例および対照の喫煙歴、職歴、居住歴に関する質問票調査を行った。(4)平成9年4月〜11月より、ラドン測定器によるラドン測定を開始した。室内ラドン測定は、Passive型Cup方式Radon Monitor(ラドトラック,長瀬ランダウア社)を用いた。測定期間は1年間とし、半年毎に測定器を交換することとした。 平成10年2月末までに、症例29例、対照30例について、前半6カ月間の室内ラドン濃度測定を完了した。平成10年度は、引き続き室内ラドン測定を継続し、全例について1年間の測定が完了した上で、症例と対照との間で、ラドン濃度を比較する。その際、喫煙歴、職歴、居住歴により調整を行う。
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