科研費の研究実績の概要 1998-3-20 大石 初年度である平成9年度の研究実績の概要は次の通りである。大別すると次の7項目となる。I:プラスチック・ゴムの廃材を原料とするハイブリットプラスチックの創出の候補となる廃材の探索と選択 II:選択した廃材に関して、ハイブリット化の可能性の検討 III:実例としてのPET樹脂の選択と、エラストマーを用いた変性によるハイブリット化 IV:廃PET変性ハイブリットプラスチックの試作と各種物性の評価 V:変性ナイロンの再成形によるリサイクルの可能性の検討 VI:ゴムの廃材のリサイクルの可能性の検討として、シリコーンゴムの研摩粉を選定し、これを相溶剤を用いてフェノール樹脂へブレンドした新材料の開発 VII:ハイブリットプラスチックによるマテリアルリサイクルの実用性の検討 VIII:ハイブリットプラスチックのモルホロジーを調べるための極薄膜試料作成法の検討である。主な成果を次に示す。I:プラスチック・ゴムの廃材は多種多用に存在するが、特にPETボトルは容器リサイクル法が施行されたが、回収後多くは空き地に放置されており、リサイクルが急務となっている。ナイロンは材料価格が高くリサイクルのメリットが大きい。ゴムは材料価格が特に高いシリコーンゴムがコピー機のロールや真空成形の型材として多用され、リサイクルの要請が強い。II:各種廃材の中から、PET樹脂・ナイロン(変性ポリアミド)・シリコーンゴムを選定し、ハイブリットプラスチックの試作を実現した。III IV::廃PETボトルの粉体と熱可塑性エラストマーをブレンドしたハイブリットプラスチックの試作に成功し、その各種物性を評価でき、付加価値の高い新エンジニャリングプラスチックとして提案できる。V:変性ナイロンは6回までの再成形による各種物性の低下がわずかであり、工場内リサイクルが可能となった。VI:廃シリコーンゴムとフェノール樹脂へブレンドした新材料が試作できた。
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