1.目的 環境保護と環境保健に対するわが国の女性の意識を調査分析し、意識形成の要因を明らかにし、女性の意識向上を図るための環境教育への提案と行政への施策の提案を目指した。 2.研究内容 身近な環境問題をテーマとしたアンケート調査を行った。質問事項は、健康状態、世界および地域環境の認識、環境保全協力への意志、地方自治体への要望、地球温暖化についての認識、ゴミ問題、ダイオキシン問題等60項目である。回答者は全国組織の女性団体の会員等1756名で、郵送法により依頼と回収を行った(有効回収率30.6%)。得られた結果の多変量解析を行った。 解析結果の主な点は、(1)地球温暖化への関心は高い (2)温暖化防止のために、自分のライフスタイルを節電・節水等の節約型に積極的に変えることは難しい (3)国には、新エネルギー源の開発、法的規制、ゴミ分別・リサイクルの推進、温暖化ガス削減推進等を要望 (4)自治体によるゴミ分別収集・リサイクルには協力的 (5)自治体へはより多種類の分別収集を要望 (6)メーカーには使い捨て商品の生産中止、使用済み商品回収の義務付け、デポジット制の導入等を要望 (7)産業廃棄物による環境汚染が不安 (8)自治体にはダイオキシン汚染の情報提供を要求 (9)「環境問題への意識」と「地球環境問題の知識」は関連 (10)「環境保全行動」と「ゴミ分別・リサイクルの実践」が関連、等々である。 3.結論 (1)地球環境問題についての新しい環境教育の必要性 (2)ごみ分別・減量や省エネ活動等、実践を伴った環境教育の必要性 (3)原子力発電よりも風力・太陽光発電・ごみ発電の推進 (4)市民主導の実践運動の育成 (5)アジェンダ21の普及のための国際理解教育の推進 (6)自治体と協力できる市民の育成。
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