研究概要 |
1)Alcaligenes FaecalisAFK2 株のフェナントレン分解代謝系遺伝子のクローニングと塩基配列の解析 A.faecalis AFK2株の 3,4-dihydroxypenanthrene dioxygenease遺伝子(phnC)をクローン化しその塩基配列を決定した.本遺伝子は909bpより成り,Pseudomonas属細菌のナフタレン分解系やビフェニル分解系において対応する遺伝子のそれまでに対して50〜60%の類似性を示したことより,両者の中間的な位置に位置づけされるものと考えられた.また本遺伝子を発現ベクターに組込み大腸菌において発現させ,そのプロダクトを確認したところ,分子量約33Kのタンパク質の生産が認められた. 2)フェナントレン・アントラセン・ダイオキシンなどを強力に分解する新規菌株の単離. 各地の土壌試料,倒木などより試料を採取し菌株の検索を行っているが,現在のところ有力な菌株は単離されていない.引き続き試料採取と検索を行う. 3)フェナントレン代謝系遺伝子の発現を負に制御する遺伝子のクローニング Pseudomonas属細菌においてフェナントレン代謝系遺伝子を高発現させるためには代謝系遺伝子の発現制御機構を明らかにする必要がある.当初の計画には記載されていないがフェナントレン資化性菌 P.putida OUS82よりフェナントレン代謝系遺伝子の発現を負に制御する遺伝子をクローニングした.またこの遺伝子は他のPseudomonas菌株のフェナントレンやナフタレンの代謝系遺伝子の発現を負に制御することを示した.
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