研究概要 |
1) Alcaligenes faecaIis AFK2株のフェナントレン分解代謝系遺伝子のクローニングと塩基配列の解析 A. faecalis AFK2のフェナントレン分解代謝系のフェナントレンから1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸に至る上流代謝系とさらにo-フタル酸に至る下流系の一部までの遺伝子の構造を決定した。下流系遺伝子の3遺伝子(pabHGI)が上流系遺伝子群の間に割り込んで位置し、また上流系のpahE遺伝子のみが約6kb隔離されて位置するという特異的な構造であることが明かとなった。 2) フェナントレン・アントラセン・ダイオキシンなどを強力に分解する新規菌株の単離. 各地の土壌試料,倒木などより試料を採取し菌株の検索を行ない、ダイオキシン類に属するジベンゾフランを分解し褐色物質に変換する菌群を得た。また保存菌株であるRalstonia pickettii DTP0602が塩素化ダイオキシンの分解物である4-クロロカテコールを強力に分解することを明らかにした。 3) フェナントレン代謝系遺伝子の発現を負に制御する遺伝子の機能解析 Pseudomonas属細菌においてフェナントレン代謝系遺伝子を高発現させるためには代謝系遺伝子の発現制御機構を明らかにする必要がある.フェナントレン資化性菌P.putida OUS82よりフェナントレン代謝系遺伝子の発現を負に制御する遺伝子を昨年度クローニングした.本年度は細胞の相同性組換え機能を利用して本遺伝子が欠損した変異株を作製した。
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