研究課題/領域番号 |
09680556
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
滝澤 昇 岡山理科大学, 工学部, 教授 (50179579)
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研究分担者 |
浄原 法蔵 岡山理科大学, 工学部, 教授 (50068904)
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キーワード | Nocardioides simplex / Alcaligenes denitrificans / ジベンゾ-p-ダイオキシン / ジベンゾフラン / 模擬汚染土壌 / バイオレメディエーション |
研究概要 |
*アントラセン・ジベンゾフラン・ダイオキシンなどを分解する新規細菌の同定と分解特性、および模擬汚染土壌でのジベンゾ-p-ダイオキシンの分解 岡山市内の土壌より昨年度単離したHKT9991株はNocardioides simplex、TKT9992株はAlcalig enes denitrificansと同定された。N.simplex HKT9991は12時間で1mMのジベンゾフランをほぼ完全に分解し、ジベンゾフランを噴霧した平板培地ではコロニーの周りのジベンゾフラン結晶の溶解斑を形成した。また本菌株により48時間でビフェニルは100%、アントラセン、フェナントレン、ジベンゾチオフェンはそれぞれ約30%分解された。一方A.denitrificans TKT9992はアントラセンを炭素源として利用生育し、本菌株の休止細胞高密度懸濁液によりジベンゾチオフェンは24時間、フェナントレンとジベンゾフランは48時間、アントラセン、ビフェニルが72時間でほぼ完全に分解された。またジベンゾ-p-ダイオキシンは96時間で50%以上分解された。 次に乾熱殺菌した土壌10gにジベンゾ-p-ダイオキシンを500μg添加して模擬汚染土壌とした。これにTKT9992株の培養液を添加して保温し、土壌中のジベンゾ-p-ダイオキシンの分解を20日間測定した。その結果、菌体を加えていないコントロールに比較して菌体を添加したサンプルでは20日後に約20%のジベンゾ-p-ダイオキシン減少が認められた。また生菌数は20日間でわずかに増加した。これらのことよりTKT9992株の添加により土壌中のジベンゾ-p-ダイオキシンの分解がなされているものと思われる。
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