研究概要 |
1.回転平膜を用いた高濃度活性汚泥法により,高濃度発酵廃液の連続処理を行い,高濃度活性汚泥の特性に関して検討した。その結果有機物及びアンモニアに関して高い除去能が得られた。また,反応槽で高いDO濃度が維持でき,回分実験と同じ比硝化速度定数を得た。しかし比脱窒素速度は回分実験よりも低い値となった。単位汚泥当たりの比酸素消費速度と脱水素酵素活性は汚泥濃度の増加とともに僅かながら減少した。しかし,反応槽全体では各活性は飛躍的に増大した。低汚泥濃度域では糸状菌が優勢となり,高汚泥濃度域では球菌及び桿菌が優先種となり,菌相に変化が認められた。 2.発酵廃液の処理において,様々な間欠曝気条件を設定して実験を行い,有機物及び窒素の除去に関して検討した。有機物除去に関しては連続曝気と比較してその差は殆ど認められなかった。窒素除去は殆どが脱窒素によるものであった。また,間欠曝気による脱水素酵素活性の低下は認められず,この方法が有効であることが明らかとなった。本プロセスにおける最適間欠曝気条件は,30分曝気-30分無曝気と推定された。 3.酸化還元電位を指標として有機物と窒素の同時除去が可能であることを明らかにした。酸化還元電位の最適設定値は+50〜+100mVを中心に-50mV以上+175mV以下であることが推定された。 4.微生物増殖及び微生物死滅による溶解性有機物量に注目して数学モデルを提案した。本研究で構築したモデルにより,反応槽内の状況を的確に再現できた。
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