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1998 年度 実績報告書

生物の相互作用と場の利用を考慮した貧栄養な湖の総合的な保全のための基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09680560
研究機関国立環境研究所

研究代表者

高村 典子  国立環境研究所, 地域環境研究グループ, 総合研究官 (80132843)

研究分担者 三上 一  青森県環境保健センター, 公害部, 総括主任研究員
上野 隆平  国立環境研究所, 生物圏環境部, 主任研究員 (60168648)
高村 健二  国立環境研究所, 地球環境研究グループ, 主任研究員 (40163315)
キーワード湖 / 生態系 / 相互作用 / 沿岸域 / ヒメマス / ワカサギ / ダフニア / トップダウン
研究概要

十和田湖沖の生態系構成要素間の相互の関係を明らかにする目的で、1995年から1997年まで3年間について4月から11月の間、月に一度の頻度で次の項目についての調査を行った。十和田湖のヒメマス、ワカサギの月別漁獲量、湖心の水深0、2、5、10、15、20、50、100m各層での動物プランクトン種(カイアシ類、枝角類、輪虫類、繊毛虫、鞭毛虫)の出現密度、植物プランクトン種の出現密度、細菌の密度、全リン量、全窒素量、クロロフィルa量、透明度を調べた。ヒメマスは1996年9月頃から漁獲量が増えた。ワカサギは1995、96年の漁獲量は高かったが、97年は低かった。動物プランクトンの優占種は、これに対応するかのように、枝角類のBosrnina longirostris や 輪虫類の Kerate11a quadrata、Po1yarthra vulgarisが、1996年秋から、大型の枝角類のDaphnia longispinaとカイアシ類のAcanthodiaptomus pacificusの密度が増えた。また、Bosminaと同じような変動を示すものにCyclops vicinusと鞭毛虫、Daphnia や Acanthodiaptomusと同じような変動を示すものにKerate11a cochlearisと細菌があげられた。繊毛虫だけは1996年に増えるという独特な変動バタ一ンを示した。大型の動物プランクトンが優占した97年にはクロロフィルa量は有意に減少し、透明度は有意に増加した。全リン量と全窒素量には変化が認められなかった。一方、植物プランクトン種の変動は、こうした動物プランクトン群集に対応したものではなく、季節性に制御されていると考えられた。従って、ワカサギの漁獲量がその前年度の子魚の捕食圧を示すと仮定すると、96年春はワカサギの動物プランクトン群集に対する捕食圧が低く、その後大型の動物プランクトンが回復し、それを餌としてヒメマスが増えたと考えられた。また、大型の動物プランクトンの回復で餌となる 植物プランクトンの量を示すクロロフィルa量は減少し、透明度は上昇したと考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Takamura et al.: "Did a drastic change in fish spends from kokanes to posed smelf decreose the cecehi olise transparency in the oligotrophic Lake Tounda?" Arch fur Hydrobiol. (1999)

  • [文献書誌] Takamura et al.: "How did replacement of the fish community domimant influence on water qrality and plankton community structure in an oligotrophic lake?" Verh.Internat.Verein.Limnol.

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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