研究課題/領域番号 |
09680560
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境保全
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研究機関 | 国立環境研究所 |
研究代表者 |
高村 典子 国立環境研究所, 地域環境研究グループ, 総合研究官 (80132843)
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研究分担者 |
三上 一 青森県環境保健センター, 公害部, 総括主任研究員
上野 隆平 国立環境研究所, 生物圏環境部, 主任研究員 (60168648)
高村 健二 国立環境研究所, 地域環境研究グループ, 主任研究員 (40163315)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 湖 / 生態系 / 相互作用 / 沿岸域 / ヒメマス / ワカサギ / ダフニア / トップダウン |
研究概要 |
十和田湖の生態系構成要素間の相互の関係を明らかにする目的で、1997年から1999年に月一回の頻度で、ヒメマス、ワカサギの漁獲量、沖及び沿岸の各水深における動物および植物プランクトン各種の密度、細菌の密度、全リン量、窒素量、クロロフィルa量、透明度を調査し、同時に沿岸からの沖の底生動物の群衆構造、密度、現存量について調査した。その結果、ヒメマスの放流数と漁獲数との間には密度依存的な共倒れ型の競争関係が認められ、放流数が192万尾のときに漁獲数が最大となった。加入率は放流数が106万尾に達するまではほぼ一定(約10.9%)で推移し、200万尾以上で急激に現象すると推定され、ヒメマスの放流量は100万尾程度が最適であると示唆された。ワカサギの漁獲数は、漁獲の前年におけるハリナガミジンコやケンミジンコ類の密度が高い年に増加した。従って、ヒメマスとワカサギともに、その漁獲量は餌生物として重要なハリナガミジンコやヤマヒゲナガケンミジンコの密度に依存して変動すると考えられた。また、十和田湖の底生動物群集は6門53分類から構成され、イトミミズ類及びユスリカ類に未記載種が含まれた。群集構造の違いから、十和田湖の湖盆は1)多様性の高い水深20m以下の沿岸部、2)22分類群のイトミミズとユスリカからなる水深20-60mの亜沿岸部、3)イトミミズ2種、トゲオヨコエビ、ユスリカ1種からなる中湖以外の深底部、4)9分類群からなる中湖深底部、の4つの区域に分けられた。特に1)の沿岸域は汀線から礫底、砂底、泥底と変化し、礫底では多様性が高い独特の底生動物群集を示した。砂底は多様性は高いが現存量が最低であった。現存量のピークは泥底で認められることが多かった。沿岸域の底生動物群集の現存量の変化は底生動物群集が魚の補食の影響を受けていることが示唆された。
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