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1998 年度 実績報告書

固相グリコシル化反応を用いた糖鎖の合成と細胞認識機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 09680566
研究機関東京工業大学

研究代表者

山田 晴夫  東京工業大学, 工学部, 助教授 (10175664)

キーワード糖脂質 / ファイトアレキシンエリシター / 糖鎖クラスター構造 / 固相合成 / オルソゴナルグリコシル化 / フッ化糖 / チオ糖 / シリルリンカー
研究概要

細胞表面を覆っている糖タンパク質や糖脂質などの糖鎖は細胞を外部から見分けるための認識分子として重要な役割を果たしている。これらの糖鎖は細胞膜上の異なるドメインに局在的に存在し、クラスター構造をとることが明らかにされた。今回、その機構解明を目的として固相合成を利用した糖鎖の合成について検討を行った。固相合成法は、従来の液相合成と比較すると反応終了後に簡単な洗浄操作で過剰な試薬や副生成物を除去できるため、面倒な糖鎖の精製過程を大幅に簡略化できることから、糖鎖合成の効率化をはかることができる。また、固相上で糖鎖を合成することにより、擬似的に糖鎖のクラスター構造を再現可能であると考えられる。固相合成を行うにあたり、ポリマー部と糖鎖部をつなぐリンカーとして、水酸基の保護基として汎用的に利用されているシリル基を用いることにした。また、グリコシル化反応に用いる種々の活性化基、活性化剤、保護基の組み合わせを検討し、固相合成に適したグリコシルドナー・アクセプターの探索を行った。その結果、ベンジルエーテルで保護されたアームドなチオ糖、フッ化糖をドナーとし、アームドなアクセプターをもちいてグリコシル化反応を行うと、ほぼ定量的に反応が進行することがわかった。また、ドナーあるいはアクセプターのどちらか一方がアームドな糖でも良好な収率でグリコシル化生成物が得られることがわかった。しかし、ドナーとアクセプターが共にベンジルエステルで保護されたディスアームドな糖のグリコシル化は2割程度しか進行しなかった。さらに、チオ糖とフッ化糖を交互に用いる固相オルソゴナルグリコシル化反応について検討を行い、固相上でファイトアレキシンエリシター活性を有する7糖の合成に成功した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Takashi Takahashi: "Synthesis of 9-Membered Masked Enediyne Analogues Possessing DNA Intercalator and Sugar Moieties" Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters. 8. 3299-3302 (1998)

  • [文献書誌] Takashi Takahashi: "DNA Cleaving Acitivities of 9-Membered Masked Enediyne Analogues Possessing DNA Intercalator and Sugar Moieties" Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters. 8. 3303-3306 (1998)

  • [文献書誌] Takayuki Doi: "Glycosidation of Solid-Supported Glycosyl Donors Tethered by a Trialkylsilane Linker" Tetrahedron Lett.(in press). (1999)

  • [文献書誌] Haruo Yamada: "Synthesis of a Branched Oligosaccharide by Remote Glycosidation." Tetrahedron Lett.38・4. 595-596 (1997)

  • [文献書誌] Takashi Takahashi: "Synthesis of Taxoid Ring Systems: AC→ABC Approach by Way of Intramolecular Alkylation" Angew.Chem.Int.Ed.Engle.36・12. 1319-1321 (1997)

  • [文献書誌] Takashi Takahashi: "New Approach to the Steroid BCD-Ring System Using Tandem Radical Cyclization" J.Org.Chem.62・7. 1912-1913 (1997)

  • [文献書誌] Takashi Takahashi: "A New Approach to Nine-Membered Enediyne Using a Palladium Catalyzed Cross-Coupling Reaction" Synlett. 4. 381-383 (1997)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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