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1997 年度 実績報告書

協同的結合と選択的化学反応の複合によるDNA塩基配列の精密認識

研究課題

研究課題/領域番号 09680569
研究種目

基盤研究(C)

研究機関京都大学

研究代表者

森井 孝  京都大学, 化学研究所, 助手 (90222348)

キーワード分子認識 / ホストーゲスト / オリゴペプチド / 協同性 / DNA認識 / DNA切断
研究概要

天然のb-ZIPタンパク質GCN4の中のLeucine Zipper部分をβ-シクロデキストリンとアダマンタンという、1:1のホストーゲスト錯体を形成する分子に置き換えることによりえられるG23AdとG23Cdペプチドは、ホモダイマーを形成して、天然のGCN4のDNA塩基配列であるCREを認識する。また、ホスト分子とゲスト分子に、異なったペプチドを組み合わせることにより、選択的にヘテロダイマーを形成することができる。本年度の研究では、ペプチドにDNA切断分子としてp-ベンゾイルフェニルアラニン(Bpa)を導入し、非回文配列に結合した状態でのペプチドヘテロダイマーが配向を明らかにした。N末端での位置の異なるBpa-G22とBpa-G21にアダマンタンを導入したG23ペプチドと、C23にシクロデキストリンを導入したペプチドとのヘテロダイマーが、非回文配列のCE/CRに結合することを、ゲルシフトアッセイにより確認した。切断反応はBpa-G21AdあるいはBpa-G22AdとC23Cdの2つのペプチド存在下で、0℃で302nmの紫外線を1時間あるいは2時間照射したあとで、中性の条件下で90℃、15分処理し、その後90℃、30分ピペリジンで処理した。切断の位置は非回文配列CE/CRの、CR側内のTに相当することがわかった。即ち、紫外線照射により、Bpaのベンゾフェノンが励起してチミンと反応し、ピペリジンで処理することにより、DNAの切断が起きたと考えられる。また、Bpaの位置の異なるペプチドでDNAの切断に差が生じたことは、DNAに対するBpaの位置が重要であると考えられる。DNAの切断に用いたBpaは、フェニルアラニンの誘導体であるので、ペプチド内に導入することができる。よって、DNAと結合したペプチドの位置を知るための分子として、またそのペプチド内のアミノ酸残基とDNAとの位置関係を知るための分子として、今後利用できることがわかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Takashi Morii 他: "Factors Governing the Sequence-Selective DNA Binding of Geometrically Constrained Peptide Dimers" Journal of the American Chemical Society. 119. 3649-3655 (1997)

  • [文献書誌] Yasunori Aizawa 他: "Selective Recognition of Tandemly Repeated DNA Sequences by Homo-and Hetero-Dimers of Short Peptides." Nucleic Acids Symposium Series. 37. 311-312 (1997)

  • [文献書誌] Yoshio Okahata 他: "Kinetic Studies of Sequence-Specific Binding of GCN4-bZIP Peptides to DNA Strands immobilized on a 27MHz Quartz-Crystal Microbalance" Biochemistry. 42(in press). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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