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1998 年度 実績報告書

ガングリオシドラクトンの受容体機能の定量的解析

研究課題

研究課題/領域番号 09680584
研究機関東京工業大学

研究代表者

佐藤 智典  東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (00162454)

研究分担者 森 俊明  東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (50262308)
キーワードガングリオシド / ガングリオシドラクトン / インフルエンザウイルス / ヘマグルチニン / シアリダーゼ / 水面単分子膜 / 水晶発振子 / 生体膜モデル
研究概要

シアル酸を含んだスフィンゴ糖脂質であるガングリオシドは、種々の細胞表面に存在し、抗体、ウイルスあるいは毒素のレセプターとして働いたり、様々な細胞の生物学的機能に関与している事が知られている。ガングリオシドは糖鎖部分にシアル酸を持っているため、シアル酸のカルボキシル基と隣接する糖の水酸基とで分子内でエステル結合を形成し、ラクトン構造をとることが考えられる。本研究では細胞膜モデルとして水面単分子膜を用いて、GM3ラクトンの糖鎖の認識性について検討した。
前年度は、インフルエンザウイルスに含まれるヘマグルチニン(HA)とGM3ラクトンとの相互作用について観察した。本年度はインフルエンザウイルスとGM3ラクトンとの相互作用について水面単分子膜を用いて観察した。GlcCer中に再構成したGM3Lactoneに対してもSM中に組み込まれたGM3 Lactoneに対しても同等なウイルスの結合が見られた。これまで、GM3に対する認識性はSM中で低く、GlcCer中で高いことが明らかになっている。これはSMのカチオンとGM3のアニオンとの静電相互作用によりインフルエンザウィルスによって認識されにくい状態をとっているからであると考えられていた。このことは本研究でラクトン化して電荷が無くなることによって、マトリックス脂質による影響が無くなったことでも裏付けられた。
また低含量域ではGlcCer中でGM3 Lactoneの認識性はGM3に比較して低かった。これは三次元的な立体構造の違いによるものだと考えられる。GM3 Lactoneは低含量域にくらべて高含量域で認識性が高いことから、GM3 Lactoneは混合膜として組み込むとインフルエンザウィルスの認識性が低下し、インフルエンザウィルスはGM3 Lactoneのドメインを強く認識していると考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] T.Sato et al: "Binding affinity of GM3 lactone for influenza virus" Glycoconjugate J.(印刷中). (1999)

  • [文献書誌] M.Hashizume et al: "Selective Bindings of a Lectin for Phase-separated Glycolipid Monolayers" Chem.Lett.1998. 399-400 (1998)

  • [文献書誌] 佐藤 智典: "生体膜モデルを用いて糖脂質の受容体機能を解析する" 化学と工業. 51. 1173-1177 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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