• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

スルファチド結合タンパク質、ビトロネクチンの脳及び疾患部位における機能

研究課題

研究課題/領域番号 09680585
研究種目

基盤研究(C)

研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

小川 温子  お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (90143700)

キーワードビトロネクチン / スルファチド結合タンパク質 / ((細胞間マトリックス)も可)細胞外マトリックス / 脳 / レコンビナントドメイン / ヘモペキシン / β-エンドルフィン / コラーゲン
研究概要

ビトロネクチンは血液中や組織で血液凝固、線容、免疫系、細胞の接着や移動など種々の生理的プロセスを調節する糖タンパク質である。本研究はわれわれが見い出したビトロネクチンの酸性脂質結合活性をもとに、いまだ単離されていない脳ビトロネクチンをタンパク質および遺伝子のレベルで検索し精製することを目的として以下の項目を実施した。
1 ビトロネクチンの硫酸化脂質に対する結合ドメインおよび部位の特定 ビトロネクチンを構成する各ドメイン(ソマトメジンB、連結領域、ヘモペキシンI、ヘモペキシンII)ならびに特定のドメインを欠くミュータントをそれぞれGST融合タンパク質として、われわれが確立したヒト血漿ビトロネクチンcDNAの大腸菌での発現条件を用いて発現させ、グルタチオンカラムを通して精製し、硫酸化脂質を固相に吸着したELISA法で結合活性を調べた。その結果、スルファチド(Gal(3-SO_4)β1-1Cer)結合活性は、ヘモペキシンIIおよびヘモペキシンIに存在した。一方コレステロール3-硫酸に対しては、単独ドメインではヘモペキシンIに比べてヘモペキシンIIが非常に高い結合活性を示し、さらにヘモペキシンI、IIドメインの連結による正の協同効果が観測された。しかし分子のN-末側半分(ソマトメジンB、連結領域)には硫酸化脂質結合活性は存在しないことが判明した。これらレコンビナントドメインを用いてβ-エンドルフィン、ヘパリンならびにコラーゲンに対する結合活性もヘモペキシンドメインに存在すること、またこれらのリガンドに対する結合活性のうち、コレステロール3-硫酸とコラーゲンに対する結合は、ビトロネクチン上の糖鎖の存在によって正または負の調節を受けることが明らかになった。
2.血漿ビトロネクチンの酸性脂質結合特異性 Gal(3-SO_4)β1-1Cer以外にも硫酸化度の高い糖脂質はいずれも結合が観測されたが、ガングリオシドには結合しなかった。またリン脂質の結合はスルファチド結合に比べて尿素処理による変性の影響をあまり受けず、コレステロール3-硫酸への結合は変性の影響を全く受けなかった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] A.Yoneda, H.Ogawa, K.Kojima & I.Matsumoto: "Characterization of the ligand binding activities of vitronectin Specificities foward various lipods and identification of the binding domains for various ligands" Biochemistry. (1998)

  • [文献書誌] A.Yoneda, H.Ogawa 他2名: "Lipid-binding of plasma vitronectin and drmain mutants" Glycoconj.J.S76- (1997)

  • [文献書誌] 米田敦子,小川温子他5名: "リコンビナントビトロネクチンのリガンド結合性" 生化学. 69・7. 684-684 (1997)

  • [文献書誌] 田切美緒,米田敦子他3名: "血漿ビトロネクチン及び大腸菌に発現させたレコンビナンドビトロネクチンの活性化機構" 生化学. 69・7. 684-684 (1997)

  • [文献書誌] 小川温子, 他2名: "肝臓病学 Basic Hepatology" 医学書院, (1998)

  • [文献書誌] 小川温子 他2名: "ノックアウトマウス・データブック" 中山書店, 564 (1997)

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi