研究課題
基盤研究(C)
ラットコンドロザルコ-マ由来の細胞株(RCS-LTC)からコンドロイチン4硫酸転移酵素が分泌されるかどうかを調べた。その結果、コンドロイチン6硫酸転移酵素やコンドロイチン4硫酸転移酵素が培養したニワトリ軟骨細胞から分泌されるのと同様に、RCS-LTCからコンドロイチン4硫酸転移酵素が分泌されることがわかった。ニワトリ軟骨細胞との最も大きな相違は、RCS-LTCでは培養液に分泌されるコンドロイチン6硫酸転移酵素が極めて少なく、大部分がコンドロイチン4硫酸転移酵素であることであった。RCS-LTCからのコンドロイチン4硫酸転移酵素の分泌は、無血清培地に交換後急速に減少することがわかったので、最も効率よく分泌されたコンドロイチン4硫酸転移酵素を回収するため、無血清培養液に交換後、2日目と4日目にコンドロイチン4硫酸転移酵素を含む培養液を回収した。回収した培養液14リットルから、Heparin-Sepharose CL-6B、Matrex gel red A、3',5'-ADP-agarose、Second heparin-Sepharose CL-6Bによりコンドロイチン4硫酸転移酵素をほぼ均一に精製した。精製タンパク質は分子量5万の糖タンパク質であった。コンドロイチン4硫酸転移酵素はジチオスレイトールなどのSH化合物により活性化された。精製したコンドロイチン4硫酸転移酵素はコンドロイチンだけでなく、脱硫酸化デルマタン硫酸にも硫酸基を転移した。放射性硫酸で標識された脱硫酸化デルマタン硫酸をコンドイチナーゼACIIで分解すると、約50%の放射能が△Di-4Sとして回収されることから、コンドロイチン4硫酸転移酵素はGl_CA残基にはさまれたGalNA_C残基の4位を選択的に硫酸化すると考えられる。
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